ヨルダンといえば、やっぱりペトラ遺跡!
世界遺産にも登録されていて、ヨルダン旅行では絶対に外せない観光地です。
……と言いながら、実は私。
行くまでペトラ遺跡について、ほぼ何も知りませんでした(笑)
「なんか岩を削った、めちゃくちゃ有名な建物がある」
「インディ・ジョーンズに出てくるらしい」
本当にそのくらい。
でも実際に調べて、そして歩いてみると、
「え、ペトラってあの有名な建物だけじゃないの?」
「こんな砂漠の中にどうやって巨大都市を作ったの?」
「というか、約2000年前にこれを作ったってどういうこと!?」と、知れば知るほど面白い場所でした。
今回は、私と同じように
「ペトラ遺跡、名前と写真くらいしか知らない!」という人に向けて、
ペトラ遺跡は一体何なのか?
何がそんなにすごいのか?
そして、実際に行くなら何を知っておくとより楽しめるのか?
難しい歴史の話はできるだけ抜きにして、旅人目線で分かりやすく紹介していきます!
そもそもペトラ遺跡って何?

一言でいうと、約2000年前、砂漠の中に栄えていた巨大都市です。
ペトラは現在のヨルダン南部にあり、主にナバテア人という人々によって発展しました。
ナバテア王国の首都として栄え、最盛期には国際的な交易都市になっていたといわれています。
「こんな砂漠の中で、何を売買するの?」と思いますよね。
実はペトラは、アラビア半島や紅海方面と、地中海世界などをつなぐ交易ルートの重要地点。
乳香や没薬などの香料をはじめ、さまざまな商品が行き交い、
ナバテア人は交易によって莫大な富を築いていきました。
つまりペトラは、
砂漠の中に突然現れた謎の遺跡ではなく、かつて人・物・お金が集まっていた大都市。
「ペトラ遺跡=あの建物」じゃなかった!

私が最初に勘違いしていたのがこれ。
ペトラと聞いて思い浮かべるのは、岩の中に彫られた巨大な建物。「あれがペトラ遺跡なんだ!」
と思っていたのですが……
違いました(笑)
あの有名な建物は、
エル・ハズネ(Al-Khazneh)
と呼ばれる、ペトラという巨大都市の中にある建造物の一つ。
日本語では「宝物殿」と呼ばれています。
ペトラにはほかにも、
・王家の墓
・劇場
・神殿
・列柱道路
・住居跡
・修道院と呼ばれる巨大建造物
などが広範囲に残っています。
ペトラは想像していた何倍も大きかったです。
ペトラへの入口「シーク」がすでにすごい

そしてペトラでぜひ楽しんでほしいのが、シーク(Siq)です。
ビジターセンターから歩いていくと現れる、巨大な岩壁に挟まれた細長い峡谷。
長さは1km以上あります。
両側には高い岩壁。
道はまっすぐではなく、くねくねと曲がっているので、その先に何があるのかほとんど見えません。
そしてこのシークをずーっと歩いていくと…… 最後の最後。
岩と岩の細い隙間から、
エル・ハズネが少しずつ見えてきます。
これが本当にすごい。
最初は建物の一部分だけ。
さらに歩くと少しずつ全貌が現れて、
最後に巨大なエル・ハズネがドーン!!
ペトラの写真を何度も見ていたとしても、実際に自分の足でシークを歩いてから見ると感動が全然違います。
シークで「岩」だけ見ていたらもったいない!

そしてシークを歩くとき、ぜひ岩壁の下の方にも注目してみてください。
よく見ると、
細長い溝のようなものがあります。
実はこれ、水路。
これこそが、ペトラが砂漠の中で巨大都市として成立できた秘密の一つなんです。
砂漠なのに、どうやって巨大都市を作ったの?

ヨルダンは乾燥した地域。
そんな場所で多くの人が暮らすには、大量の水が必要です。
ところがナバテア人は、「水がないから住めない」
ではなく、「じゃあ水を集めて、貯めて、運べばいい」と考えました。
岩を削った水路、ダム、貯水槽などを組み合わせ、
限られた雨水や水源を集めて都市へ供給する仕組みを作っていたのです。
しかも約2000年前。
これを知った瞬間、「ナバテア人、すごすぎない?」となりました(笑)
ペトラというと巨大な建造物ばかりに目が行きますが、
実はこの水をコントロールする技術こそ、砂漠の都市ペトラを支えていたもの。
シークの水路も、知らなければ「岩の横にある溝」。
知っていれば、「これが2000年前の都市インフラか!」になります。
行く前に知っておいてほしいポイントです。
ついに登場!ペトラの象徴「エル・ハズネ」

シークを抜けると、ついに現れるのが、
エル・ハズネ(Al-Khazneh)。
高さ約40m級。
巨大な岩壁そのものを削って造られています。
実際に目の前に立つと、「これ、本当に人が作ったの?」と思ってしまうほど巨大。
しかもすごいのが、その造り方。
普通、建物を造るときは石や木を積み上げていきますよね。
でもエル・ハズネは逆。
巨大な岩を削って、建物の形を作っています。
岩を積んだのではなく、岩から建物を彫り出した。
しかも重機なんて存在しない時代。
細かい柱や装飾まで岩から削り出されていると思うと、とんでもない建築です。
実は「宝物殿」なのに宝物殿じゃない

エル・ハズネは「宝物殿」と呼ばれています。
じゃあ昔ここに金銀財宝が保管されていたのかと思ったら……実は違う。
現在では、王族などの墓として造られた可能性が高いと考えられています。
ではなぜ「宝物殿」と呼ばれているのか。
建物の上部を見ると、壺のような形をした装飾があります。
後世の人々の間で、
「あの壺の中に宝物が隠されている!」という伝説が生まれたそう。
その宝物を狙って銃で撃ったともいわれ、壺にはその痕跡とされる傷まで残っています。
宝物殿なのに宝物殿じゃない。
しかも、
「あそこに宝があるぞ!」と本当に撃っちゃった人がいる。
こういう話を知ってから見ると、遺跡が一気に面白くなります(笑)
インディ・ジョーンズのロケ地でもある!

エル・ハズネを見て、「なんか見たことある!」と思った人もいるかもしれません。
実はここ、
映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』にも登場しています。
映画では聖杯が眠る神殿として描かれました。
その影響もあって、ペトラが世界的に知られるきっかけの一つになりました。
ただし!
映画を見て、
「あの扉の奥に巨大な神殿があるんだ!」と思って行くと少し違います(笑)
映画に登場する壮大な内部空間が実際にエル・ハズネの中に存在しているわけではありません。
あの圧倒的な外観をロケーションとして使用したものです。
エル・ハズネを見て帰ったらもったいない!

エル・ハズネを見て、「ペトラ見たー!帰ろう!」は、かなりもったいないです。
ここから先にも遺跡がずっと続いています。
歩いていると見えてくるのが、
ローマ劇場のような巨大な劇場。
数千人規模を収容できたとされる大きな劇場で、ここも岩を削って造られています。
さらに進むと、
王家の墓(Royal Tombs)と呼ばれる巨大な墓群。
そして列柱道路や神殿跡など、
「ここ、本当に一つの都市だったんだ」ということがだんだん分かってきます。
エル・ハズネだけを見ると、
「すごい建物を見に来た!」という感覚ですが、
奥まで歩くと、
「かつてここで本当に人々が生活していたんだ」という感覚に変わっていきます。
さらに奥には「修道院」がある
体力と時間に余裕があれば、ぜひ行ってみてほしいのが、
エド・ディル(Ad Deir / The Monastery)です。
日本語では「修道院」と呼ばれています。

こちらも巨大な岩を削って造られた建造物。
実はファサードはエル・ハズネよりさらに巨大です。
ただし……
ここまで行くのが、なかなか大変(笑)
現地ガイドさん「問題は距離じゃない」
私がペトラを訪れたとき、現地の人に言われたのが、
「問題は距離じゃない。修道院まで約900段の階段を登らないといけないんだ」という言葉。
900段……!?
しかも登ったら、帰りはその階段を下りてこなければいけません。
さらにガイドさんの説明では、
修道院まで行く場合は往復約13〜14kmほどになるとのこと。
ペトラ観光というより、もはやハイキングです(笑)
※900段・13〜14kmという数字は、
私が訪問した際に聞いた目安です。利用するルートによって距離などは変わります。
ちなみに「修道院」という名前ですが、
最初からキリスト教の修道院として造られたものではありません。
ナバテア時代に造られた建造物が、
後世にキリスト教徒によって使われたことから「修道院」と呼ばれるようになりました。
宝物殿 → 宝物殿じゃない。
修道院 → 元々修道院じゃない。
ペトラ、名前が結構ややこしい(笑)
ペトラは「失われた都市」だった

ペトラについて調べると、「失われた都市」「忘れ去られた都市」という表現をよく見かけます。
交易ルートの変化や地震など、さまざまな要因によってペトラは次第に都市としての重要性を失っていきました。
そして1812年、スイス人探検家ヨハン・ルートヴィヒ・ブルクハルトが訪れたことで、
西洋世界に再び広く知られるようになります。
ここで一つ注意。
「1812年にペトラが発見された」と紹介されることもありますが、
それまで誰もペトラを知らなかったわけではありません。
この地域で暮らしてきたベドウィンの人々は、当然その存在を知っていました。
なので、
「1812年に発見された」というより、
「西洋世界に再び広く知られるようになった」という方が正確です。
ペトラとベドウィン
ペトラ周辺には、長い歴史を持つベドウィン文化があります。
ペトラやワディラム地域のベドウィンの文化空間は、ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。

ペトラ遺跡は想像以上に広い!
ここからは、実際に行く人向け。
まず絶対に伝えておきたいのが、ペトラ、めちゃくちゃ広いです。
「入口から歩いて宝物殿を見て終わり」くらいに考えているとびっくりします。

公式のメイントレイルだけでも、
ビジターセンター
↓
シーク
↓
エル・ハズネ
↓
劇場
↓
列柱道路
↓
Qasr al-Bint
まで片道約3.9km。
さらに修道院まで行ったり、ビューポイントへ登ったりすると歩く距離はどんどん増えます。
実は「Back Way(裏ルート)」もある
ここで、現地ガイドさんから聞いたちょっとした裏話。
ペトラには通常のメインルートとは別に、
「Back Way(裏ルート)」と呼ばれる、修道院側から入っていくルートもあるそうです。
私が訪れた際には、シャトルを利用して修道院側へ向かう方法について説明してもらいました。
その際、
「Back Wayはセルフガイドでは行けず、ガイドと一緒に行く必要がある」と案内されました。
そして提示された料金が、
1グループ250JD(約52,500円)でした。
1人でも2人でも3人でも4人でも、グループ全体で同じ250JDとのこと。
いや、高すぎるだろ……!!!!!入場料の5倍のお値段!
一方、通常のメインルートは、
ガイドなしでも観光可能とのこと。
ビジターセンターでもらえる地図にも各スポットの簡単な説明が載っているので、
自分のペースで歩きたい人ならセルフガイドでも回れます。
ガイドを付けるならいくら?
「せっかくならナバテア人の歴史まで詳しく知りたい!」という人は、現地ガイドを付けるのも選択肢。
私たちが訪れた際に案内された通常ルートのガイド料金は、
1グループ50JD(約10,500円)でした。
例えば7人で参加すれば、単純計算で1人あたり約1,500円。
人数が多ければ、意外と利用しやすくなります。
歴史や建築について詳しく知りたいならガイド付き。
私は自分のぺースで回るのが好きなのでお断りしました。
※Back Wayのルート、ガイドの必要条件、料金などは変更される可能性があります。
ここで紹介している内容は私が訪問した際に現地で受けた説明です。
利用する場合は、現地ビジターセンターで最新情報を確認してください。
写真を撮ったり、休憩したりしながら観光するなら、
丸一日使うつもりで行くのがおすすめ。
遺跡観光というより、ちょっとしたハイキングだと思っておいた方がいいです。
ペトラに行くときの服装・持ち物

とにかく歩くので、歩きやすい靴は必須。
スニーカーやトレッキングシューズがおすすめです。
さらに日陰が少ない場所も多いので、
・水
・帽子
・日焼け止め
・サングラス
・歩きやすい靴
・モバイルバッテリー
あたりは持っていくと安心。
特に夏場はかなり暑くなるので、水分補給は本当に大切です。
そして写真や動画を撮る人。
ペトラは、「ここ撮りたい!」が永遠に出てきます(笑)
朝から撮影しているとスマホの充電がどんどん減るので、モバイルバッテリーもあると安心です。
何時に行くのがおすすめ?

できるなら、朝早くがおすすめです。
理由は、
人が比較的少ない
+
日中より暑さがマシ
+
観光できる時間を長く確保できるから。
特にエル・ハズネ周辺は時間が経つにつれて観光客が増えていきます。
「人が少ないペトラを歩きたい!」
「写真をゆっくり撮りたい!」という人ほど、早起きする価値があります。
営業時間は季節によって変わるので、訪問前にペトラ公式サイトで最新情報を確認してください。
にしても朝6時から入場できるってすごくない?!笑
入場料はいくら?

2026年9月時点で、ヨルダンに1泊以上する外国人旅行者のペトラ入場料は、
1日券:50JD
2日券:55JD
3日券:60JD となっています。
「2日券、1日券より5JDしか高くないん!?」と思いますよね。
じっくりペトラを見たい人なら、2日間に分けるのもあり。
なお、料金や条件は変更される可能性があるので、旅行前に必ず公式サイトで最新情報を確認してください。
Jordan Passを使う人は要チェック

ヨルダンをお得に旅するなら、Jordan Pass(ヨルダン・パス)。
対象条件を満たせば、ペトラを含む多くの観光地への入場と、
ヨルダンの観光ビザ関連のメリットをまとめて利用できます。
ペトラに何日入場するかによってプランも異なるので、
「ペトラ+ヨルダン国内の観光地をいくつも回る」という人は、一度計算してみるのがおすすめです。
※Jordan Passの条件や料金は変更される可能性があるので、購入前に必ず公式サイトを確認してください。
夜のペトラ「Petra by Night」

さらに曜日が合えば、Petra by Nightという夜のイベントもあります。
シークからエル・ハズネ周辺までキャンドルの灯りで照らされ、昼とはまったく違う雰囲気のペトラを楽しめます。
2026年9月現在、公式案内では月・水・木曜日に開催されています。
通常のペトラ入場券とは別料金なので注意してください。
開催日や時間は変更される可能性があるため、こちらも旅行前に公式情報を確認するのがおすすめです。
ペトラに行く前に知っておいてほしい
最後に、私が「行く前に知っておけば、もっと面白かった!」と思うポイントをまとめると、
① ペトラは「宝物殿」ではなく巨大な古代都市
② 約2000年前、ナバテア人が交易で栄えた都市
③ 岩を積んだのではなく、巨大な岩そのものを削った建造物がたくさんある
④ 砂漠の中で都市を成立させた高度な水利システムがすごい
⑤ シークでは岩壁だけでなく、古代の水路にも注目
⑥ 宝物殿は、実は宝物殿ではない
⑦ 修道院も、元々は修道院ではない
⑧ エル・ハズネを見て帰るのはもったいない
「ここは約2000年前、本当に人が暮らしていた大都市だった」
ということだけでも頭に入れて歩いてみてください。
見える景色がかなり変わると思います。
まとめ|ペトラは「見る遺跡」より「歩いて感じる古代都市」
行く前の私は、「あの有名な岩の建物を見る場所」くらいに思っていたペトラ遺跡。
でも実際には、
砂漠の中に水を引き、
世界中から物が集まり、
人々が商売をし、
巨大な建物を岩から削り出し、
何千人、何万人もの人が行き交っていた都市でした。
そして約2000年後の今も、その痕跡の中を自分の足で歩くことができます。
シークの巨大な岩壁。
その横に残る小さな水路。
突然姿を現すエル・ハズネ。
岩山に残された無数の墓。
さらに奥へ続いていく古代都市。
写真で見るだけでもすごい場所ですが、
「なぜここに都市ができたのか?」
「どうやって砂漠で暮らしていたのか?」を少し知ってから行くと、ペトラは何倍も面白くなります。
ヨルダンに行くなら、ペトラ遺跡はぜひ旅程に入れてみてください!
世界まき より

