インド・カースト制度は本当に終わった?女子大生ひとり旅中に感じた社会の根深さ

インドを旅していると、どうしようもなく胸がざわつく瞬間があります。
この国では、目を背けていた“問い”が、日常の中に平然と転がっているのです。

「宿命」とは何か、「優しさ」とは何か――

今回は、そんなインドでの出会いや気づきを通して、
私が感じた“まなざし”のちがいについて、綴ってみようと思います。

どんな景色を私が見てきたのか、是非以下の動画をご覧ください!
きっとあなたの中の“価値観の器”が、ふっと広がる瞬間があるはずです^^

目次

インドで見た“宿命”と“まなざし”

「親は何の仕事してるの?」
そう聞かれて、「建築だよ」と答えると、
彼は目をキラキラさせながら言った。

「いいね〜インドで建築家は金持ちになれるよ!」

まるで、親の仕事を引き継ぐのが当然のように話す彼の口ぶりに、
私は思わず「カーストって、やっぱり残ってるの?」と聞いた。

「もちろんだよ」

彼は、あっけらかんと、何のためらいもなくそう答えた。


社会から“消されていない”人たち

インドの街中で驚いたことのひとつは、
物乞いをする人に対して、現地の人がよくお金を渡していること。
夜、祈りの儀式に心を打たれながら見入っていたとき、
何度も子どもたちに囲まれ、足を握られた。
泣きそうな表情のまま、何も言わずに手を差し出してくる。
心がくじけそうになりながらも、

私はそっと離れ、自分の身を守った。
けれど私とは対照的に、
他人にお金を渡す現地の人々の姿を、私は何度も目にした。


これは「文化」なんだと思った

日本では、ホームレスを見かけても
視界にすら入っていないかのように通り過ぎることが多い。
どこかで「自業自得」だと、
無意識にラベルを貼ってしまっているのかもしれない。
「働かずにお金をもらうなんて甘えだ」
「努力しない人に手を差し伸べる必要はあるのか?」

そういう“自己責任”の空気が、日本にはある。

だけど、ここでは違った。

彼らは、生まれた瞬間から人生の選択肢が限られていた人たち
カーストのような社会構造が残る国では、
それを“その人の責任”だと見ることの方が不自然なのかもしれない。


「他人の宿命」に手を差し伸べる文化

私はこう思いました。
ここでは、人々が他人の境遇を「変えよう」とはしないけれど、「支えること」はしている。
誰かにとっての“宿命”を、重くも、当たり前のものとして、
ただ静かに受け止めているように感じた。
そこには、「冷たいあきらめ」ではなく、

“仕方のないものを抱えた人”への優しさのようなものが、確かにあった。


旅人として、私が守っていたルール

もちろん、全てが美しいだけではない。
インドは、人の数だけ、価値観も欲望も混ざり合っている。
だから私は、旅のなかでこんなルールを決めていた。

人の瞳を見て、その奥にある“誠実さ”を見ること。

笑顔や優しさに惑わされず、
その人が信頼できるかどうかを、自分の直感で見極める。
少しでも違和感を覚えたら、すぐに距離をとる。
ときには、耳の聞こえないふりや、目の見えないふりをして、

相手が“見えていないふり”をすることもあった。

すぐに早歩きでその場を離れたり、
ときにはダッシュで逃げたこともある。

そんな自分に罪悪感を覚えることもあったけれど、
それが私の身を守るための大切な方法だった。


「自由」の裏にある冷たさ。「宿命」の中にある優しさ。

日本は、自由の国だ。
どんな仕事も選べるし、誰とでも結婚できるし、
望めば何にだって挑戦できる。

でも、ふと感じた。

その“自由”があるからこそ、私たちは「できなかった人」への目が冷たくなるのかもしれない。

「努力が足りない」
「自己責任でしょ」
「なんで助けなきゃいけないの?」

そうやって、どこかで線を引いてしまっている自分がいた。

だけど、インドで見たのは、
「その人がそうであること」をただ受け入れ、助ける姿。
自分にはできることがあるなら、それを差し出す。
“変えようとせずに、寄り添う”という優しさだった。


多様なまなざしが人生を豊かにしてくれる

私はこの旅を通して、
「正しさ」で世界を見ないことの大切さを学んでいます。
その土地に生きる人たちの“前提”を知ることで、
見える世界はこんなにも変わるんだと、肌で感じています。

“優しさ”のかたちは、きっと国や文化によって全然ちがう。
けれど、だからこそ自分の“当たり前”が揺らぐ瞬間に、世界の奥深さを感じる。
インドでは、否応なく「目をそらしたくなるもの」と向き合わされる。

でもそこにあったのは、ただの悲しさじゃなく、
その奥にある人の営みや、見守るようなまなざしだった。

たった数日の旅でも、
私の価値観をじわじわと、でも確かに揺らしてくれる。
そんな“異なるまなざし”と出会える旅が、私はやっぱり好きです。


私が見てきた世界の景色や出会いは、すべてYouTubeに載せています。
よければそちらもぜひ覗いてみてください。
そして、もし何か感じることがあれば、コメント欄で教えてもらえるととても嬉しいです。
みなさんの感じたことや考えを聞くことで、私自身もたくさん学ばせてもらっています。

あなたの“まなざし”も、ぜひシェアしてください🎶

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