それでも、インドへ行くことを決心した理由
性被害が世界的に問題視される国、インドに女子大生1人で行って怖くないの?
そんな言葉に、私はこう答えます。
「もちろん、怖くないわけがありません。」
インドに行く前、私はできるだけ多くの“目を背けたくなる”ニュースに目を通しました。
女性の人身売買、観光客の性被害、腐敗した司法制度。
誰かの悲痛な体験談を、あえて自分に叩き込みました。
それを知って、未然に防げることはないかと、自分を守る術を身につけるため。
それでもなお、私は行きたかった
そんな恐怖を乗り越えてでも、私はどうしてもインドをこの目で見てみたかった。
というのも、自己表現の苦手な私にとって、インドはまるで正反対の性格を持つ国。
混沌としていて、騒がしくて、何事にも主張の強い国。
だからこそ、ここには「今後の人生のヒント」が眠っている気がしたんです。
SNSで見た“悪評”が、むしろ私を惹きつけた
「インドはカオスだ」「最悪だった」「もう二度と行きたくない」
そんなSNSの投稿をたくさん見ました。
でもその一方で、何度もインドを訪れている人がいるのも事実。
この違いって、なんなんだろう?
きっと、“どこに視点を当てるか”で、旅の印象は大きく変わるんだと思いました。
そしてSNSでは、どうしても刺激的な言葉の方が注目されがち。
だからこそ、私は自分の目で確かめてみたかったんです。
私の覚悟 — “いい面”も“悪い面”も、全部自分の言葉で伝えたい
「怖くない」わけではない。
でも、自分自身の肌で、目で、心で感じたことを全て言葉にして伝えたい。
そんな想いの方が大きかったのです。
インドを旅するために私が意識したこと
NOをはっきり言う練習をする
日本では曖昧な返事や笑顔でやり過ごすことが多いけれど、
インドではそれは「YES」のサインと取られてしまうことも。
から私は、きっぱり「NO!」と伝える覚悟を持って行きました。
外国人女性が“標的”になりやすいという事実
特に肌の白い外国人女性は、性被害や人身売買の対象になりやすいとも言われています。
これは決して脅しではなく、「知っておくべき現実」です。
インドでの服装マナー
特にNGとされやすい体の部位
- 太もも:ショートパンツやミニスカートは避ける。
- 肩:タンクトップやキャミソールも控えめに。
- 胸元:開いた服は視線を集めやすく、絶対に避けた方がいい。
特に宗教施設や地方都市では、肌の露出に厳しい目が向けられます。
私が選んだ服装
- 首の詰まったTシャツ、もしくは薄手の長袖
- ゆったりとしたワイドパンツ
- 首元・胸元をさりげなく隠すスカーフ
このスタイルで、視線やリスクを最小限に抑えることができました。
宗教施設では「敬意=安全」
宗教施設では、肌の露出はNG、そして靴も脱ぐのが基本。
その土地の文化に敬意を払う姿勢が、結果的に自分自身を守ることにもつながります。
郷に入っては郷に従え
最近よく目にするSNSでのコメント。
「自分の好きな服を着ればいいじゃん」
確かにそれは“自己表現の自由”として、とても大切な考え方。
でも私は、文化が違う場所では、自分の常識だけで動くのは危険だと思っています。
だからこそ、「郷に入っては郷に従え」。
それは、ただルールに従うということではなく、
その土地をリスペクトするという姿勢であり、
そして何より、自分を大切にするという意味でもあるんです。
だからこそ私は、灼熱の太陽の下、汗をかきながらも私は長袖と長ズボンを選びました。
そうすることで、安心して街を歩けるし、少しの心の余裕も生まれました。
旅は安全に帰国するまでが『旅』ですからね
どんなに刺激的で、感動的な出会いがあったとしても——
どんなに価値観を揺さぶられる体験ができたとしても——
無事に帰ってこられなければ、旅は完成しない。
それが、旅を続ける中で私が一番実感したことです。
だから私は、インドを旅する前に「怖い」と感じた自分の気持ちを否定しませんでした。
そしてその“怖さ”を、ちゃんと準備や心構えに変えて出発しました。
旅を最高の思い出にするために。
そして、また旅での気づきを皆さんにも共有するために。